2020年09月15日更新
40代からの転職は可能?失敗しないためのコツを教えます
40代まで仕事を頑張り、キャリアを重ねてスキルも身に着けた……しかし、業務をする毎日にどうにも充実感がない……と、転職を考えている人は少なくないです。
「40代になってしまうと、転職にはもう遅いんじゃないか」「この歳から転職するなら失敗したくない。失敗しない転職のコツはあるの?」と、不安や疑問も多いでしょう。
今回は40代から転職を目指す方に向けて、40代の転職市場の現実や失敗しないためのコツなどをご紹介します。
目次
- 1 40代から転職は可能?データで市場の現実を確認
- 2 40代が転職する前に知っておくべきこと
- 2-1 40代で転職するメリット
- 2-2 40代で転職するデメリット
- 2-3 企業が40代の転職者に求めること
- 2-4 転職以外の方法
- 3 40代が転職に失敗しないためのポイント
- 4 40代からの転職にオススメなのは転職エージェント
- 4-1 転職エージェント以外に利用できる手段
- 5 まとめ
副業のコツ編集部のゆうたです。
40歳になってからの転職は不可能ではありません!
若い世代よりは難しくなりますが、コツさえ抑えておけば転職可能です。
今回は40代から転職するために知っておきたいポイントを解説します。
40代から転職は可能?データで市場の現実を確認
「35歳転職限界説」という言葉を聞いたことはありませんか?
転職は〇〇歳までが限界という話は諸説ありますが、一番耳にするのが「転職は35歳で限界」という意見です。
しかし近年、35歳転職限界説は崩れてきていると言われ、40代からの転職も可能な世の中になってきています。
40代の転職について、日本人材紹介事業協会が発表した以下のようなデータもあります。
人材紹介企業による2019年度4~9月人材紹介実績
年齢 | 転職者数 | 前年同期比 |
25歳以下 | 8,309人 | 112.3% |
26~30歳 | 14,511人 | 107.4% |
31~35歳 | 8,528人 | 108.6% |
36~40歳 | 4,856人 | 118.2% |
41歳以上 | 5,690人 | 129.6% |
一般社団法人日本人材紹介事業協会「人材協、職業紹介会社大手3社 2019 年度上期転職紹介実績を発表」より引用(https://www.jesra.or.jp/pdf/syuukeikekka/2019_4_9.pdf)
35歳以下と比較すると、転職者数の伸び率は40代がトップです。
近年40代でも転職可能な世の中になりつつあることがわかりますね。
とはいえ、転職者数を比べるとやはり35歳以下よりも少なく、20~30代よりも内定をもらいにくいのが現実です。
40代で転職するのが難しいのは、主に以下の理由からです。
40代からの転職が難しい理由
- マッチする求人が少ない
- 即戦力は前提、それ以上のアピールが必要
- 職場に適応できない可能性がある
マッチする求人が少ない
40代を対象とした求人の数は、20代、30代が対象のものよりは劣るものの、近年増加傾向にもあります。
求人数自体は少ないというわけではありません。
しかし、「自分とマッチする求人」が少ないのが転職を難しくする要因です。
20代、30代が対象の場合、未経験でもOKで、「戦力」というよりは「人手」としての求人です。
40代はそうも行かず、戦力として募集しているので、経験や専門性を持った即戦力が求められます。
未経験の職種に転職するのは難しく、40代の転職はマッチする求人の数が絞られてしまいます。
さらに、40歳以上となれば家庭を持っている人も多く、年収が下がってしまう転職に踏み切るのは難しいですよね。
希望年収や勤務地などの希望条件も加味すると、マッチする求人はほんの一握りになってしまいます。
即戦力は前提、それ以上のアピールが必要
企業の中で、40代というのは実力・経験ともに充実した戦力です。
40代以降を募集する企業も当然、「これから育てる人材」ではなく「即戦力」を募集しています。
企業が求める条件、ハードルが高いのも、40代からの転職が難しくなる理由の一つです。
「戦力になる自信はある」という方もいるかも知れませんが、求人に応募するライバルたちも40歳以上ともなれば実力を身に着けています。
厳しい競争の中で内定をもらうには、即戦力で活躍できることに加えて、マネジメント経験や語学力、事業立ち上げ経験など、他の転職希望者と差別化出来るアピールポイントがあったほうがいいでしょう。
職場に適応できない可能性がある
転職をした場合、新しい職場や仕事に馴染めるかどうかわからないのは、20~30代でも40代でも変わりません。
しかし、40歳以上の社会人は経験も豊富で、部下や後輩がいる立場で働いてきた方が多いです。
そのため20~30代よりもプライドが高く、新しい仕事や職場にいる年下の先輩社員に適応できないというのはよく聞く話ですよね。
企業や採用担当者が「扱いづらい」と危惧するケースも多く、そういった場合には採用を見送られてしまいます。
新しい環境を素直に受け入れる、周りと調和する柔軟性があるといった部分をアピールしなければ、実力があっても内定をもらいにくいです。
逆に既存社員の立場で考えると、何かと前の職場と比較する転職者が来るのはやっぱり嫌ですよね。
新しい環境では前の職場を引きずらないようにしましょう。
40代が転職する前に知っておくべきこと
40代になって「転職したい」と考えても、転職活動をする前に知っておくべきことがあります。
知るべきことを知り、熟慮した上で転職するか判断しましょう。
40代で転職するメリット
転職活動を始める前に、40代で転職するメリットは確認しておきましょう。
仕事のモチベーション向上
40代で転職を考える人の中には、転職や異動の経験がなく長年同じ会社、同じ部署で同じ仕事をしてきた人もいます。
そういったルーティンワーク化している職場でモチベーションを保つのは難しいですよね。
転職で同じ職種に就いたとしても、環境が変わるだけで向上心が再燃し、充実した日々を送れることは珍しくありません。
また、経験があってもなかなか役職につけないというケースでは、昇進の可能性がある企業に転職することで「昇進できるかも」とモチベーションを高められます。
即戦力として採用されることが多い40代の転職は、役職に上がるなど昇進のチャンスも十分にあります。
チャンスが見えるとやる気が出てくるものですよね。
実績があれば年収アップのチャンス
企業は、実績や実力がある人材を即戦力として是非欲しいと考えています。
実力ある人材を育てようとすれば長い年月がかかる上、うまく育たない可能性もあります。
実力、実績ある人材を採用できれば、ローリスクで職場のレベルをアップできるので、どの企業も求めています。
そういった人材は需要の高さから年収も高くなり、うまくアピールできれば前職よりも高い年収を見込めます。
実力や実績に自信があって、現在の年収に不満がある場合は転職を検討する価値は充分にあります。
社会人としての後悔を消せる
これまでの社会人生活でうまくキャリアを築けずに後悔が残る方は結構多いです。
社会人生活に後悔がある人の中には、40代から転職して第二の人生で成功された人は大勢います。
今のままでいいんだろうか……と後から後悔しそうな場合は、自分の市場価値や他社の求人の条件を見てみるなど、転職に関する情報を集めてみるのもいいでしょう。
実際に転職しなかったとしても、比較することで現職の条件がそんなに悪くないことを知り納得して仕事を続けられたケースなど、結果として転職しなくても、転職活動がプラスに働くこともあります。
40代で転職するデメリット
40代からの転職にはデメリットもあります。
失敗できない
転職に失敗できないというプレッシャーは、年齢を重ねるごとに増していきます。
若いうちなら転職に失敗しても「次がある」と言えますが、転職は年齢や転職回数が増えるほど難しくなるもの。
40代で転職に失敗すると次の転職の難易度はさらに上がるので、「次がある」なんて簡単には言えませんよね。
失敗できないというプレッシャーは、転職活動中ずっとついて回ります。
条件が悪くなる可能性がある
40代での転職は、実績があれば年収アップなどを見込めるケースもありますが、年収、役職が下がるケースも珍しくありません。
人によっては給与が半分以下になってしまうケースもあります。
実績や自分の市場価値によって年収が上がることもあれば下がることもあるので、転職市場などの情報収集は怠らないようにしましょう。
良くも悪くも、転職すると収入や環境が変わることになります。
自分がどんな理由で転職したいのかをはっきりさせておかないと、さらに不満を抱える結果になることもあるので注意しましょう。
評価ゼロからのスタート
転職すると、今まで積み重ねた社内の評価がリセットされ、ゼロからのスタートになります。
どの年代でも言えることではありますが、40代にもなると社内に在籍していた期間も長く、積み上げた評価も多いため、若い世代よりも影響が大きくなります。
社内評価は昇進や昇給に影響するので、社内評価のリセットはこれまで真面目に働いてきた人ほどデメリットになります。
ただし、現在の職場や社内評価、人間関係などに不満がある人は、一度リセットしてゼロからスタートできるのはメリットにもなりえます。
企業が40代の転職者に求めること
企業が転職希望者に対してどんな能力を希望しているかを知っておくのは重要です。
企業の求める能力を自分が持っているのかを見つめ直し、転職がうまくいきそうかどうか考えてみましょう。
マネジメント力
40代の多くは職場に後輩や部下がいて、指示を出す環境にあります。
部下の仕事の進捗を確認したり、業務予定を管理すると行った経験をしている人もいるでしょう。
そういったマネジメント力は、40代の転職者に企業が求める能力の一つです。
業務進捗の管理をしていた、後輩を育てていたといった経験は、転職時に大きなアピールポイントになります。
専門知識や専門分野への理解
40代の転職では、専門分野に関する知識や理解を持っていて当然と考える企業がほとんどです。
専門知識を十分に理解している上で、企業の理念や事業を理解し、貢献できる人材を求めています。
転職する業界や企業を検討する際、希望する業界についてどの程度の知識やスキルが身についているかを振り返ってみましょう。
専門知識を求められるということは、逆に言えば知識がないと転職が難しいということです。
前職の経験や知識、スキルを活かせない業種への転職は、40代の転職者には難しい選択肢になります。
協調性、柔軟性
40代に限らず、企業は転職者に対して「新しい職場に対応できるか」といった部分を見ています。
どの会社にもローカルルールや企業文化があるものです。
転職で入社した社員はそういった企業独自の部分に対応できなければ、仕事や職場の人間関係がうまくいきません。
特に40代の転職者となると、前の職場環境に慣れきっていて、新しい環境になかなか馴染めない傾向があります。
柔軟に新しい職場に対応し、協調性を持って仕事に取り組める転職希望者は、企業側も優遇するケースが多いです。
転職以外の方法
転職を検討する方は、現状に悩みや不満を抱えている方が多いです。
転職によって悩みを解消できることもありますが、手段は転職だけではありません。
悩みによっては転職以外の方法でも改善できるので、よく考えた上で転職活動をしましょう。
具体的な方法には次のようなものがあります。
転職以外に、悩みや不満を解消する方法
- 部署の異動を依頼する
- 仕事内容を変えてほしいと上司に相談する
- 雇用形態を変えてもらう
- 副業で収入を増やす
- 休職して一定期間休みをもらう
「会社自体に不満はないけど、周囲の環境に悩みがある」という場合は、こういった手段でも解消できることがあります。
逆に会社に不満がある場合は、別の会社に転職するのが一番いい方法です。
40代が転職に失敗しないためのポイント
40代の転職は失敗したときのリスクが若い世代よりも大きいので、成功できる確率は少しでも高めたいですよね。
転職するときに失敗しないためには、いくつかポイントがあります。
自己分析をする
40代は社会人としての経験も積んできています。
これまでの経験や培ってきたスキル、知識などを文字に起こしてみましょう。
文字にして再確認することで、自分が思っている以上のアピールポイントが見つかるかもしれません。
自分のキャリアやスキルの棚卸しを行い、自己分析をすることが転職活動では大切です。
自分がどんな能力を持っているのか、その能力を活かせるのはどんな職場かなど、改めて確認しましょう。
自分の市場価値を確認する
転職市場で自分にどんな価値があるのかを確認することは、とても大切です。
特に以前の転職がうまく行っている方は、今回もうまくいくと楽観的に考えてしまいがちです。
転職市場の変化にともない、自分の価値も変化し続けているので、現在の自分の市場価値は把握しておきましょう。
さまざまな求人情報から、市場価値が高い自分の持つスキルや経験を確認しておきましょう。
転職活動の長期化は覚悟しておく
40代からの転職は、20~30代よりも求人が少なく、選考で落とされることも多いので長期化しやすい傾向があります。
書類選考で落とされることは珍しくなく、10社受けても内定をもらえないなんてことは珍しくありません。
転職活動に1年以上費やすケースもあるので、転職活動の長期化は覚悟しておきましょう。
現職を辞めてしまうと、長期化した場合に収入ゼロの期間が長引き、生活苦から条件の悪い転職先で妥協してしまう場合があります。
40代の転職活動は、現職は辞めずに行うことをおすすめします。
企業研究、情報収集は怠らない
転職では、自分を採用することで会社にメリットがあるとアピールすることが大切です。
これから経験やスキルを伸ばす20~30代とは違い、40代の転職ではすでに持っている経験、スキルが企業に貢献できるとアピールしなければなりません。
そのためにも企業の研究や情報収集は入念に行いましょう。
求めているのはどんな人材か、今後どのような事業を行うのかを知っておくと、自分が貢献できるポイントをアピールしやすくなります。
頑固にならず、柔軟性を持つ
転職の際は希望条件を考えますが、年齢を重ねると自分の考えが固まってしまいがちです。
年収や残業、役職などの希望条件を決めると、なかなか変えられない方が多いです。
絶対に譲れない条件はあるか、逆に妥協できる条件はないかなど、条件の優先順位を付けておきましょう。
また、入社時に条件を満たしていなくても、入社後の努力、成果次第でクリアできることがあります。
年収や職種をこだわりすぎず、柔軟な転職活動をしていきましょう。
面接対策は必須
スキル、経験が企業にマッチしていれば書類選考は通過できるかもしれません。
そこで気を抜いて面接対策をしないでいると、内定がもらえないことがあります。
面接は自分をアピールする絶好のチャンスです。
聞かれる内容などを想定しておき、自分の価値をしっかりと伝えられるようにしましょう。
これらのポイントをチェックしておけば、内定ももらいやすくなります。
とはいえ、自己分析などは客観的な目がほしいですし、企業研究や業界の情報収集も個人で限界があります。
これらの失敗しないためのポイントを確実にこなすには、「転職エージェント」の利用がオススメです。
40代からの転職にオススメなのは転職エージェント
40代からの転職に失敗しないためのポイントは多数ありますが、その大半をカバーできる存在が転職エージェントです。
転職エージェントはざっくりと言えば人材紹介会社で、企業と転職希望者の橋渡しをしています。
転職エージェントは様々な業種の企業情報、求人情報を持っています。
40代からの転職は希望する条件も人それぞれなので、求人から条件に一致する求人を見つけるだけでも一苦労です。
おすすめの求人を紹介してくれる転職エージェントを利用することで、効率的な転職活動が可能です。
転職エージェントでは最初にエージェントと転職希望者で面談を行い、キャリアの棚卸しをサポートしてくれたり、業界での市場価値を客観的に分析してくれます。
業界情報にも詳しいエージェントが書類作成のアドバイス、面接対策も行ってくれるので、内定を貰える可能性が格段に上がります。
こういったサービスを無料で受けられるので、登録して損をすることはまずありません。
40代で転職活動をするなら、転職エージェントへの登録はほぼ必須と言えます。
「ただ転職できればいい」と求人を紹介するのではなく、「満足できる転職」が成功するようにサポートしてくれます。
失敗できない40代からの転職でも、安心してサポートをお願いできます。
転職エージェント以外に利用できる手段
転職エージェントは利用したほうがいいですが、転職エージェントでも求人が見つからない場合は自力で探さなくてはいけません。
また、転職エージェントを利用する場合でも自力での転職活動を並行して行ったほうがいいです。
自力で求人を探す場合は転職サイトを利用するのがおすすめです。
求人情報を掲載したサイトで、求人件数が多いので自分の目で自分にあう求人を探せます。
転職サイトを活用して求人情報や転職市場の情報を集めておくことは、転職活動の無駄にはなりません。
ほかにも公的支援サービスを利用するという手段があります。
有名なところだと「ハローワーク」ですね。
ハローワークは厚生労働省が運営する就職支援サービスです。
20代30代と比べると40代の求人は少なめですが、応募できる求人は見つかるでしょう。
地元中小企業の求人が多い傾向があるので、地元で転職を目指している方は最寄りのハローワークに一度足を運んでみましょう。
ただし転職エージェントほどのサポートは受けられないので、転職エージェントでの転職活動を本線にして、それでも決まらない場合はハローワーク、といった使い方がおすすめです。
まとめ
40代からの転職活動は20代、30代と比べると厳しいですが、近年徐々に求人が増えてきています。
抑えるべきポイントを抑え、企業が求めるポイントをきっちりアピールできればチャンスがあります。
求人情報を探すだけでなく、キャリアの棚卸しや業界情報の収集、市場価値の理解や面接対策など準備することは非常に多いです。
こういったことをサポートしてくれる転職エージェントを活用すれば、40代からでも転職活動の成功率はぐんと上がります。
まずは求人数が多い「リクルートエージェント」や、ハイキャリア向けの「JACリクルートメント」などに登録してみましょう。
下記の記事ではこれら2社を含めたオススメ転職エージェントを紹介しているので、ぜひご参考にしてください。
この記事を書いた人
副業のコツ編集部
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